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アスベスト調査

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 石綿(アスベスト)とは,天然に産する鉱物群のうちで,高い抗張力と柔軟性を持つ絹糸状光沢の特異な繊維状集合(これをAsbestiformと呼ぶ)をなすものを指しています。
 その特徴から極めて有用な鉱物であった反面、発がん等の人体への影響もあることで知られております。
 世界中では殺人粉じん(Killer Dust)、静かな時限爆弾(Silent Time Bomb)等の通称で呼ばれており、極めて細い鉱物です。

アスベストとは

 アスベストとは、天然に産出する繊維状のケイ酸塩鉱物であり、中皮腫または肺がん等の重篤な病気を引き起こす物質です。

特徴として・・・

  • 燃えないで高温に耐える(不燃性,耐熱性)
  • 表面積が大きく、他の物質との密着性に
    優れている(親和性)
  • 引張強さが極めて大きい(高抗張力)
  • 柔軟でかつ磨耗に耐える(耐磨耗性)
  • 熱、電気を通しにくい(絶縁性)
  • 薬品に侵されにくい(耐薬品性)
  • 腐らないで変化しにくい(耐久性)
この物質は過去に幅広い材料に使用され、建物の工事による飛散等が問題となっています。


アスベストの種類

    石綿名 鉱物名 化学組成式
蛇紋
石族
クリソタイル クリソタイル Mg3Si2O5(OH)4
角閃
石族
アモサイト グリュネ閃石 (Mg,Fe)7Si8O22(OH)2
クロシドライト リーベック閃石 Na2Fe32+Fe23+Si8O22(OH)2
トレモライト石綿 トレモライト Ca2Mg5Si8O22(OH)2
アクチノライト石綿 アクチノライト Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2
アンソフィライト石綿 アンソフィライト Mg7Si8O22(OH)2

クリソタイル アモサイト クロシドライト
トレモライト アクチノライト アンソフィライト

アスベスト含有製品の種類

 アスベストは様々な材料に使用されており、その9割が建物の建築材料に使われていると言われています。
建材の発じん性の高さによってレベル分類されており、アスベストが含有していた場合、分類されるレベルに応じて届出が異なります。


石綿含有吹付け材:レベル1  発じん性:著しく高い

①吹付け石綿
②石綿含有吹付けロックウール(乾式)
③湿式石綿吹付け材
(石綿含有吹付けロックウール(湿式))
④石綿含有吹付けバーミキュライト
⑤石綿含有吹付けパーライト

湿式石綿含有吹付け材

石綿含有耐火被覆材
石綿含有断熱材   :レベル2  発じん性:高い
石綿含有保温材

【石綿含有耐火被覆材】
①耐火被覆板
②ケイ酸カルシウム板第二種

【石綿含有断熱材】
①屋根用折版裏石綿断熱材
②煙突用石綿断熱材

【石綿含有保温材】
①石綿保温材
②けいそう土保温材
③パーライト保温材
④石綿含有ケイ酸カルシウム保温材
⑤不定形保温材(水練り保温材)

不定形保温材(水練り保温材)

その他、石綿含有成形板:レベル3  発じん性:比較的低い

①石綿スレート
②ケイ酸カルシウム板第一種
③住宅屋根用化粧スレート
④押出成形セメント板
⑤窯業系サイディング
⑥パルプセメント板
⑦スラグせっこう板
⑧フロー材
⑨ロックウール吸音天井材
⑩石膏板(ボード)
⑪石綿円筒
⑫ビニル床タイル
⑬その他石綿含有成形板

石綿スレート

石綿含有建築用仕上塗材  発じん性:比較的低い※

①薄付け仕上塗材
②厚付け仕上塗材
③複層仕上塗材   etc…

厚付け仕上塗材
※:建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散
  漏えい防止対策徹底マニュアル
         (令和3年3月 厚生労働省、環境省)


目で見るアスベスト建材(国土交通省)平成20年抜粋

より詳細な内容は、下記の資料をご覧下さい。
目で見るアスベスト建材(国土交通省)

アスベストに係る主な法規制の変遷

年号 法規、通達名 法規・通達の概要
昭和35(1960) 「じん肺法」制定 じん肺健診についての規定(石綿も対象)
昭和46(1971) 「労働基準法特定化学物質等障害予防規則」(特化則)制定 製造工場が対象、局所排気装置の設置、作業環境測定の義務付け(測定方法の規定なし)
昭和50(1975) 「労働安全衛生法施行令」(安衛法施行令)の改正 名称等表示(石綿5%超対象)
「特化則」の大改正(昭和45年ILO職業がん条約批推のため) 石綿5%超対象、取扱い作業も対象、石綿等の吹付け作業の原則禁止、特定化学物質等作業主任者の選任、作業の記録、特殊健診の実施、掲示等
昭和63(1988) 「作業環境評価基準」(厚生労働省告示)制定 法規に規定されている各種物質の管理濃度を規定(石綿も対象:2f/cm3)
平成元(1989) 「大気汚染防止法(大防法)・同施行令・同施行規則」の改正 石綿を特定粉じんとし、特定粉じん発生施設の届出、石綿製品製造/加工工場の敷地境界基準を10f/Lと規定
平成3(1991) 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)の改正 特別管理産業廃棄物として「廃石綿等」を新たに制定。吹付け石綿、石綿含有保温材等の石綿を含有する廃棄物が該当
平成7(1995) 「安衛法施行令」の改正 アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)の製造等禁止
「労働安全衛生規則」(安衛則)の改正 吹付け石綿除去作業の事前届出
「特化則」の改正 石綿1%超まで対象が拡大、吹付け石綿除去場所の隔離、呼吸用保護具及び保護衣の使用、解体工事における石綿使用状況の事前調査結果の記録
平成8(1996) 「大防法」の改正 特定建築材料(吹付け石綿)を使用する一定要件をみたす建築物の解体・改造・補修する作業が「特定粉じん排出等作業」となり、事前届出、作業基準の遵守義務を規定
平成9(1997) 「大防法施行令・同施行規則」の改正
平成11(1999) 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」制定 特定第一種指定化学物質として石綿が規定され、年間500kg以上使用する場合に、環境への移動・排出量を国への報告義務付け
平成16(2004) 「安衛法施行令」の改正 石綿含有建材、摩擦材、接着剤等10品目が製造等禁止
「作業環境評価基準」(厚生労働省告示)の改正 石綿の管理濃度を改正(施行期日2005.4.1)
平成17(2005) 「石綿障害予防規則」(石綿則)の制定(施行期日:2005.7.1) 特定化学物質等障害予防規則から、石綿関連を分離し、単独の規則である石綿障害予防規則を制定。解体・改修での規制(届出、特別教育、石綿作業主任者等)を追加
「大防法施行令・同施行規則」の改正(施行期日:2006.3.1) 吹付け石綿の規模要件等の撤廃と特定建築材料に石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材が追加。掻き落し、破砕等を行わない場合の作業基準を規定
平成18(2006) 「大防法」の改正(施行期日:2006.10.1) 法対象の建築物に加え工作物も規制対象となる
「安衛法施行令」の改正(施行期日:2006.9.1) 石綿0.1重量%超の製品の全面禁止(一部猶予措置あり)
「石綿則」の改正(施行期日:2006.9.1) 規制対象を石綿0.1重量%超に拡大一定条件下での封じ込め、囲い込み作業に対する規制の強化等
「廃棄物処理法」の改正(施行期日:2006.10.1) 石綿0.1重量%超を含有する廃棄物(廃石綿等を除く)を石綿含有廃棄物と定義、無害化処理認定制度が発足((施行期日2006.8.9)
平成20(2008) 「石綿則」等の一部を改正する省令等(施行期日:2009.4.1) ・事前調査の結果の掲示
・隔離の措置を講ずべき作業範囲の拡大、隔離の措置等
・吹付け石綿除去作業について電動ファン付き呼吸用保護具着用を義務づけ
・船舶の解体等の作業に係る措置(施行期日2009.7.1)
平成23(2011) 「石綿則」の一部を改正する省令(施行期日:2011.8.1) 船舶の解体等について、建築物解体等と同等の措置を義務付け
平成24(2012) 「安衛法施行令等」の一部を改正する政令(施行期日:2012.3.1) 石綿0.1重量%超の製品の製造等禁止の猶予措置を撤廃
平成25(2013) 「大防法」の改正(施行期日:2014.6.1) 届出義務者を発注者に変更、解体等工事の事前調査及び説明の義務化、作業基準の改正
「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」(国土交通省告示) 建築物の通常使用における石綿含有建材の使用実態の把握推進のため、同規定を創設
平成26(2014) 「石綿則」の一部を改正する省令(施行期日:2014.6.1) 集じん・排気装置の排気口からの石綿漏えいの有無の点検、作業場前室の負圧状態の確認、損傷・劣化等石綿粉じん発散のおそれがある保温材等の除去等の対応の追加
平成29(2017) 「石綿含有仕上塗材の除去等作業における飛散防止対策について通知」(環境省) 石綿含有仕上塗材の除去作業における飛散防止対策について、吹付け工法で施工されたものについては吹付け石綿として扱うこととした
平成30(2018) 「安衛法施行令」、「安衛則」の改正(施行期日:2018.6.1) 分析、教育用の石綿の製造・輸入・使用等を可能とした
「石綿則」の一部を改正する省令(施行期日:2018.6.1) 石綿分析用試料等の定義、製造に係る措置、製造許可、届出等を規定
「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」(厚労省・国交省・環境省告示) 3省連携により、国交省の旧規定の内容に解体時の事前調査に必要な知識を追加
令和2(2020) 「大防法」の改正(施行期日:一部除き2021.4.1) すべての建材への規制拡大及び作業基準の適用、事前調査方法の法定化・資格者による事前調査の実施、事前調査結果の記録の保存及び都道府県への報告の義務付け、取り残し等の確認及び記録の保存の義務化、直接罰の創設等
「石綿則」の一部を改正する省令(施行期日:一部除き2021.4.1) 事前調査及び分析調査を行う者の要件の新設、計画届の対象拡大、事前調査結果の届出制度の新設、隔離(負圧不要)を要する作業に係る措置の新設、その他作業に係る措置の強化、作業計画に基づく記録・保存の義務化、石綿の有無が不明な建材に対して石綿が使用されているものとみなして工事を行うことにより分析調査を不要とする規定を吹付け材にも適用 等
「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」の一部改正(厚労省・国交省・環境省告示) 一戸建て等石綿含有建材調査者の講習規程を新設

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